第4回文化遺産フォーラム「物語の舞台・信太で語る文楽『蘆屋道満大内鑑』の魅力」を開催しました!
以前こちらの記事でお知らせしました第4回文化遺産フォーラム「物語の舞台・信太で語る文楽『蘆屋道満大内鑑』の魅力」が、令和5年(2023)10月21日(土)開催されました。
今回は、第一部、第二部と行われた当日の様子をご紹介します。
~第一部「『蘆屋道満大内鑑』ゆかりの地・信太の森を歩く」~
当日は、午前10時の開始時刻を前に、信太貝吹山古墳に続々と参加者が集まりました。参加者は約40人。秋の清々しい気候の中、歴史ウォークが始まりました。
最初のポイントは葛葉稲荷神社です。境内で参拝を終えると、特別講師の人形浄瑠璃文楽技芸員であり人間国宝の吉田和生さん、文楽イヤホンガイド解説者の高木秀樹さん、文楽の舞台写真カメラマンの出上実さんが登場し、ご挨拶・お話をいただきました。葛の葉伝説に登場する姿見の井戸など境内の見学を終えると、ウォーク再開です。
その他のポイント、旧府神社や聖神社一の鳥居では、和泉市文化財活性化推進実行委員会の委員の解説のもと、葛の葉(白狐)が化けたともいわれる白狐化石など、葛の葉伝説にまつわる歴史ある場所に皆さん興味深々でした。
最後のポイント、信太の森ふるさと館では、カメラマンの出上さん撮影の『蘆屋道満大内鑑』の写真展示を観覧しました。吉田さん、出上さんよりお話もいただき、参加者は、より一層物語の世界観への理解を深めている様子でした。(開催中の展示詳細はこちらから!)
~第二部「人形浄瑠璃文楽『蘆屋道満大内鑑』の魅力」~
会場は変わって和泉市北部リージョンセンターへ。講演会には約120名もの方が参加されました。前半は高木さんの軽妙な進行のもと、お三方のパネルディスカッションとして、ときに笑いを交えつつ、『蘆屋道満大内鑑』の内容とそこに「信太(信田)」がどのように描かれているかを、出上さんの写真を使用しながらお話されました。
後半は、吉田さんとお弟子さんによる人形を使用した実演が行われました。『蘆屋道満大内鑑』に登場する白狐の葛の葉の人形の早変わりや、首や手の先まで気の配られた繊細な動き、人形が歩くのに合わせて床を鳴らす大きな音といった劇場に見に行かなければ味わえないような人形遣いに、会場からは感嘆の声が上がっていました。実際に参加者が人形遣いを体験する場面も見られました。最後には吉田さんと参加者との質疑応答の時間も設けられ、皆さん積極的に、大変活発なやりとりが行われました。
フォーラム終了後、参加者からはこんな感想が寄せられました。
第一部
「長く住んでいる町の歴史に触れられてよかった」「歴史も文楽も好きな自分にとってはピッタリの企画でした」
実際の物語の舞台を歩くことによる「聖地巡礼」を楽しまれた様子が伝わってきました。
さらに「古墳をめぐるツアーもやってほしい」といった今後のイベントに期待する声も寄せられました。
第二部
「以前に文楽は何年も鑑賞していましたが、高齢になり劇場には行けませんので、この様な機会があれば嬉しいです。」「信太に関する写真、トークわかりやすく解説していただき、楽しくお聞きしました。」「和生さんがかなり自由にサービス満点でお話されていて大変面白かったです。高木さんの話も画像もたくさん知識や話のフリも上手くて聞きごたえがありました。出上さんは話す時間は短かったですが、写真を堪能できました。」
演目の舞台である信太で、文楽や伝統文化に関心をもつ方々が登壇講師のお話を興味深く聞いていただけたことがわかります。
このように和泉市を新たな観点や切り口で再発見するようなイベントや、地元の身近な歴史に触れることができる講演会なども積極的に行っていきたいと考えておりますので、今後の文化財活性化推進実行委員会の活動にも、どうぞご期待ください!