ここでは市史編さん室の資料調査の方法を紹介します。私たちの調査は、まず「現状」、つまり資料が現在どのような状態で保存されているかを記録します。その次に詳しい目録をとり、資料1点づつの写真撮影を行います。資料がどのような状態で保存されていたのか、たとえば資料はどのような箱に入っていたのか、袋に入っていたのか、紐で束ねられているのか、なども資料の性格を知るために重要な情報となります。
このような調査方法を現状記録の方法と呼んでいます。資料の目録や、資料をもとにした研究成果は、紀要として刊行しています。
市史編さん室と大阪市立大学文学部日本史研究室は毎年合同で和泉市内の地域を対象とした歴史的な総合調査を行っています。市史編さん事業が開始して以来継続して行われてきたもので、2016年現在で20回を数えます。基本的にひとつの町会を対象にし、古文書調査のほか、聞き取り調査やフィールドワーク、仏像調査、石造物調査もおこないます。
たくさんの学生さんが地元のみなさんとともに地域の歴史を掘り起こし、大きな成果を得ています。歴史トークとして地元での調査成果の報告会も行っています。
市史編さん室で行った調査の成果は、ほぼ毎年発行される紀要でみることができます。史料目録や史料翻刻などの史料集として、また調査をもとにした論考、図版集など内容は多岐にわたっています。紀要は市史編さん事業の成果報告であるとともに、「和泉市の歴史」編さんのための基礎研究の場という性格ももっています。
タイトル | 発刊年 | 金額 |
---|---|---|
第1集 旧泉郡黒鳥村関係古文書調査報告書2 | 1997年 | 残部僅小 |
第2集 小田町関係史料調査報告書 | 1998年 | 品切 |
第3集 松尾寺所蔵史料調査報告書 | 1999年 | 品切 |
第4集 近世黒鳥村の地域社会構造 | 1999年 | 品切 |
第5集 松尾寺地域の歴史的総合調査研究 | 2000年 | 2000円 |
第6集 槙尾山施福寺の歴史的総合調査研究 | 2001年 | 品切 |
第7集 近世福瀬村の歴史 | 2002年 | 1500円 |
第8集 槙尾山と横山谷の調査研究 | 2003年 | 1500円 |
第9集 高橋家と池田下村の調査研究 | 2004年 | 1500円 |
第10集 松尾谷南部の調査・研究 | 2005年 | 1500円 |
第11集 古代和泉郡の歴史的展開 | 2006年 | 品切 |
第12集 和泉市の成立と展開 | 2007年 | 1500円 |
第13集 松尾谷史料群の調査研究 | 2007年 | 2000円 |
第14集 伯太藩関係史料目録 | 2007年 | 1000円 |
第15集 万町村旧記「俗邑録」 | 2008年 | 1000円 |
第16集 和泉中央丘陵における村の歴史 | 2009年 | 1500円 |
第17集 池田谷地域の開発と生活 | 2010年 | 1500円 |
第18集 和泉市旧町村役場公文書目録 | 2011年 | 1000円 |
第19集 和泉郡の条里 | 2012年 | 2000円 |
第20集 和泉の村の明細帳Ⅰ | 2014年 | 2000円 |
第21集 和泉市歴史的建造物調査報告書Ⅰ | 2014年 | 2000円 |
第22集 和泉市考古学調査報告書Ⅰ | 2016年 | 1000円 |
第23集 第4回地域史惣寄合報告書 地域の全体史と現代 | 2016年 | 1000円 |
第24集 和泉の寺社改帳Ⅰ | 2016年 | 1500円 |
第25集 和泉市考古学調査報告書Ⅱ | 2017年 | 1000円 |
第26集 「市史だより」100選 | 2017年 | 2000円 |
第27集 近世和泉の村と支配 | 2017年 | 1,500円 |
市役所文化財振興課窓口、いずみの国歴史館で直接お求めください。
注文発送も行っております(送料別)。